ネコちゃんの病気

ネコちゃんの病気

ネコちゃんの病気(症状別・代表鑑別)

目ヤニが多い・目が充血している

主な可能性:猫ウイルス性鼻気管炎(猫カゼ等による結膜炎)、角膜炎、眼瞼内反症など

食欲がない・ご飯を残す

主な可能性:慢性腎臓病(CKD)、難治性口内炎・歯周病、腫瘍(がん)、消化器疾患など

何度もトイレに行く・おしっこに血が混じる(頻尿・血尿)

主な可能性:特発性膀胱炎(FIC)、尿路結石症(膀胱結石)、下部尿路疾患(FLUTD)など

おしっこが出づらい・トイレでうずくまる

主な可能性:尿道閉塞(プラグ・結石による詰まり)、重度な膀胱炎など ※特に雄ネコでは緊急性を要する場合があります

高所への「登り降り」がしづらい

主な可能性:変形性関節症(OA/シニア期の関節痛)、糖尿病性神経症など

うろうろして落ち着きがない

主な可能性:甲状腺機能亢進症関節の痛み(OA)、認知機能不全(シニア期)など

水を飲む量やおしっこの量が増えた(多飲多尿)

主な可能性:慢性腎臓病(CKD)、甲状腺機能亢進症糖尿病(DM)など

乳腺(お腹周り)のしこり・固まり

主な可能性:乳がん(猫の乳腺腫瘍の多くは悪性)、乳腺増殖症など

結膜炎

結膜炎

眼の結膜に炎症が起こった状態です。猫の結膜炎は猫ウイルス性鼻気管炎・猫クラミジア感染症などの感染症が主な原因で、複数の猫を飼っている場合は感染が広がるリスクがあります。目やにや充血が続いているとき、片眼または両眼を細めているときは早めにご来院ください。初期に適切な治療を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。なお、これらの感染症は混合ワクチン接種によって予防することができます。定期的なワクチン接種で感染リスクを下げましょう。

主な症状

白目の充血、目やにが増える、涙が出る、目を細める、目をこするなど

慢性腎臓病

腎臓が障害を受けて正常に機能しなくなった状態です。
高齢の猫に非常に多く見られる病気で、15歳以上の猫では約3頭に1頭が慢性腎臓病と言われるほど身近な病気です。
一度悪化した腎機能は回復しないため、いかに早期に発見して進行を遅らせるかが何よりも重要です。
しかし、初期にはほとんど症状が現れず、飼い主様が「いつもと変わらない」と感じていても、体の中では病気が静かに進行しているケースが少なくありません。
多飲多尿や体重減少などの目に見える変化に気づいた頃には、すでにかなり進行していることもあります。
だからこそ、定期的な健康診断でのチェックが命を救う鍵となります。
当院では、一般的な血液検査だけでなく、従来の検査では分かりにくかった初期変化を捉える「SDMA(早期腎臓マーカー)」など血液検査の他に、尿検査や、腎臓の構造的な異常・結石(次項の腎結石・尿管結石)の有無を視覚的に捉える「レントゲン・超音波(エコー)検査」を組み合わせることで、目に見えない段階での早期発見と、その子に合わせた早期治療のスタートに全力を尽くしています。

主な症状

多飲多尿、食欲不振、元気消失、嘔吐、体重減少、毛並みの悪化など

腎結石・尿管結石(上部尿路結石)

腎臓の中に結石ができる「腎結石」や、それが尿管に流れて詰まってしまう「尿管結石」は、近年ネコちゃんで非常に多く認められるようになっている病気です。

なぜ増えているの?

背景には、キャットフードの栄養バランスの変化(溶けないシュウ酸カルシウム結石の増加)に加え、近年のエコー検査(超音波診断装置)などの性能向上により、これまで見落とされがちだった微細な結石が早期に発見できるようになったことが挙げられます。

突然命に関わる緊急事態になることも

腎臓にあるうちは無症状のことも多いですが、結石が尿管に落ちて完全に詰まってしまう(尿管閉塞)と、急激に腎機能が低下して「急性腎不全」や尿毒症を引き起こします。急激に悪化して命に関わることもあるため、早期発見と速やかな対応が不可欠です。当院では、レントゲンや超音波検査、血液検査などの検査により、腎臓へのダメージを速やかに評価し、状態に応じた適切な内科治療・外科治療をご提案します。

主な症状

急激な元気消失、何度も吐く(嘔吐)、お腹を触ると嫌がる・痛そうにする、血尿、尿の量が急に減った(または出ない)

膀胱炎

膀胱に炎症が起こった状態です。
猫の膀胱炎は、若〜中年齢では明確な原因がない「特発性膀胱炎(FIC)」が全体の約6割と最も多くを占めます。次いで尿石(結晶)によるものが多く、実は一般的な「細菌性膀胱炎」は若い猫では非常に少ないのが特徴です。特発性膀胱炎は、ストレスや生活環境(飲水量の少なさなど)が深く関わっています。
ただし、高齢期(シニア期)になり慢性腎臓病などによって尿が薄く(希釈)なってくると、尿本来の抗菌力が低下するため、細菌性膀胱炎のリスクが急激に高まります。
猫の膀胱炎は再発しやすい病気でもあるため、尿検査や超音波検査による正確な病態の評価と、それぞれに合わせた適切な内科治療、そして生活環境の改善が大切です。

主な症状

頻尿(何度もトイレに行くが尿が少量しか出ない)、血尿、トイレ以外での排尿、排尿時に痛そうに鳴く・声をあげる、陰部を気にして頻繁に舐めるなど

膀胱結石

尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、膀胱内で結石となってさまざまな症状を引き起こす病気です。結石が原因で膀胱炎が起こったり、頻尿・血尿などの症状が現れたりします。飼い主様が症状に気づけないケースも多く、発見が遅れることがあります。特にオス猫は尿道が細くカーブしているため、結石が詰まって尿道閉塞を起こしやすく、急性腎不全に至ることもある非常に危険な状態です。「トイレに何度も行くのに尿が出ていない」という場合は緊急性が高いため、すぐにご来院ください。食事療法や投薬により結石の溶解・再発予防が可能なケースもあります。

主な症状

頻尿、トイレに行くが尿が出ない、血尿、排尿時の痛み、食欲不振など

変形性関節症(OA)

猫の関節炎(変形性関節症:OA)は、加齢とともに非常に多く認められる病気です。
実際には、12歳以上の高齢猫の約9割が罹患しているとも言われていますが、ネコちゃんは痛みを上手に隠す動物であるため、ワンちゃんのように「足をひきずる(跛行)」といった分かりやすいサインを見せることが少なく、多くのケースで見落とされています。

なぜ起こるの?リスク因子は?

加齢のほか、肥満による関節への過度な負担、スコティッシュフォールドやマンチカンなどの特定の遺伝的骨関節リスク、過去のケガなどが進行を早めるリスク因子となります。

当院での診断アプローチ

当院では、歩き方のチェックや関節のレントゲン検査に加え、最新の尿検査による関節バイオマーカー「尿中CⅡNE(CⅡネオエピトープ)」の測定を行っています。レントゲン画像で骨の変形が現れる前の「軟骨が傷つき始めた超初期段階」でも、おしっこから関節のダメージを数値化し客観的に評価することが可能です。健康診断の尿検査にオプションとして気軽に追加いただけます。

主な症状

キャットタワーやソファなど高い場所への上り下りを嫌がる、ジャンプをためらう、階段をゆっくり降りる、毛づくろいが減って毛並みがボサボサになった(体が硬くて届かない)、以前より寝てばかりいる、触ると怒る(関節が痛いため)

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症

のどにある甲状腺からホルモンが過剰に分泌される病気で、中高齢の猫によく見られます。
甲状腺の過形成や甲状腺腫瘍などが主な原因で、体の代謝が異常に活発になるため、活発に動いて食欲も旺盛になりますが、どれだけ食べても体重が減っていくのが大きな特徴です。
「年のわりに活発すぎる」「よく食べるのに痩せてきた」という場合は甲状腺機能亢進症の可能性があります。
進行すると心臓や腎臓にも悪影響を及ぼすため、早期発見・早期治療が重要です。
血液検査をしてみないと判断できないケースが多いため、定期的な健康診断での甲状腺検査を受けることをおすすめします。
内科療法・外科療法・放射線療法など、状態に合わせた治療方針をご提案します。

注意すべき臨床的ポイント

甲状腺機能亢進症は、血流が過剰に良くなることで、隠れている「慢性腎臓病」を一時的に見えにくくさせたり(腎数値を隠蔽する)、心臓に過度な負担をかけて心不全を誘発させたりします。そのため、お薬による治療を始める際は、ホルモン数値のコントロールだけでなく、腎臓や心臓への影響を血液検査・エコー検査等で繊細にモニタリングしながら、全身のバランスを極めて慎重に管理していく必要があります。

主な症状

食欲が異常に増えたのに体重が減る、落ち着きがなく活動的になる(夜鳴きが増える)、水を飲む量やおしっこの量が増えた、毛並みが荒れる、嘔吐や下痢、心拍数が速くなる

糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、働きが悪くなったりすることで、血液中の糖分をエネルギーとしてうまく使えなくなる病気です。

猫の糖尿病の特徴と「隠れた原因」

猫の糖尿病の約8割は、肥満や生活習慣が引き金となる「Ⅱ型糖尿病」ですが、インスリンの効きを著しく悪くさせる「続発性(二次性)糖尿病」への警戒も非常に重要です。
体の中で「慢性膵炎」や「激しい歯周病・口内炎(慢性の炎症)」が持続していると、そこから放出される炎症性物質(サイトカイン)によってインスリンが全く効かなくなってしまいます(インスリン抵抗性)。

治療コントロールを高めるためのトータルアプローチ

インスリン注射による血糖値の管理だけでなく、「お口の治療(歯石除去や抜歯治療など)を行い、口の中の炎症をゼロにする」ことで、嘘のように糖尿病のコントロールが劇的に改善し、インスリン注射から離脱(寛解)できるケースもあります。当院では糖尿病の管理にあたり、お口の健康状態も極めて重視しています。

主な症状

水を飲む量やおしっこの量が急激に増えた(多飲多尿)、ごはんをよく食べるのに痩せていく、元気がなくなり寝てばかりいる、歩き方がおかしい(かかとを地面につけて歩く「糖尿病性ニューロパチー」)

乳腺腫瘍

乳腺にできる腫瘍で、猫の乳腺腫瘍は約80〜90%が悪性とされており、犬と比べて非常に悪性度が高い病気です。進行が速く、発見が1〜2ヶ月遅れるだけで手遅れになるケースもあります。日頃のスキンシップの中でお腹や乳腺のあたりにしこりを感じたら、すぐにご来院ください。乳腺腫瘍は初回発情前に避妊手術を受けることで発症リスクを大幅に低減できるとされています。早期手術(乳腺全切除など)により予後が改善するケースも多く、定期的な触診と早めの受診が大切です。「しこりが小さいから大丈夫」と判断せず、気になった時点でご相談ください。

主な症状

乳腺のしこり(単数または複数)、しこりの急速な増大、しこりからの出血・浸出液、食欲不振など

福岡市でネコちゃんの病気・症状をお探しの方へ

福岡市でネコちゃんの病気・症状をお探しの方へ

「なんとなく食欲がない」「トイレの回数がいつもと違う」「最近痩せてきた気がする」そうした小さな変化が病気のサインであることは少なくありません。猫は犬に比べて症状を隠す習性が強く、気づいたときにはすでに病気が進行しているケースも多いです。「様子を見ていたら悪化してしまった」とならないよう、迷ったときはまず一度ご来院ください。
大切なご家族であるネコちゃんが長く健康に暮らせるよう、些細なことでもお気軽にご相談ください。
福岡市東区・香椎駅前の福岡東動物病院では、福岡市全域のネコちゃんと飼い主様からのご相談をお待ちしています。