短頭種の外鼻孔狭窄矯正手術

当院で先日手術した症例を紹介いたします。

HPにも掲載している外鼻孔狭窄矯正手術についてです。

 

外鼻孔狭窄は短頭種気道症候群の一要因であり、ブルドッグやボストンテリアなどの短頭種が好発犬種になります。

短頭種気道症候群とは、外鼻孔狭窄、鼻腔内の軟骨の増生、軟口蓋過長、喉頭小嚢外反、気管虚脱、喉頭虚脱からなる疾患群で、気道が狭いことが原因でいびきや豚のような呼吸音、呼吸困難を引き起こします。

上記は進行性の疾患であり、慢性的に気道に負担がかかることで、外鼻孔以外の部位の狭窄を誘発します。

加齢に伴い鼻腔内の軟骨の増生など外科的処置で改善できない部位の狭窄が生じると十分な治療効果が見込めなくなります。そのため、不妊手術などと同時に実施することをお勧めしています。

外鼻孔狭窄矯正術は鼻孔を拡張させることで、呼吸の改善および更なる気道の狭窄を抑える目的で実施します。

以下、手術前後の外鼻孔の外貌です。

◆術前:外鼻孔がほとんど開いていない。

IMG_1115

 

◆術後:外鼻孔が広がっています。

IMG_1121

 

今回、手術を実施させていただいたのは1歳2ヵ月齢のボストンテリアで、比較的若齢だったため、術後から呼吸の改善がみられ良好な治療効果が得られました。

この手術について興味をお持ちであればお気軽にご相談ください。

猫の角膜黒色壊死症

今回の症例は1歳9ヶ月齢の猫ちゃんです。

半年前に角膜を損傷し、眼軟膏による治療を継続していました。
なかなか良くならず、最近になって悪化が認められたため当院を受診されました。

黒色壊死症0
角膜は浮腫を起こし、中心部には黒色のカサブタの様なものが付着しています。
角膜のスワブ検査では炎症がありましたが明らかな細菌感染は認められませんでした。

臨床経過や、特徴的な外観から角膜黒色壊死症が疑われます。

内科的な治療による改善は見込めないため、角膜の壊死部位を切除する手術を実施しました。

黒色壊死症1
手術前の写真:角膜表面に黒く硬そうな沈着物が認められます。

黒色壊死症2
メスで黒色部を切除していきます。

黒色壊死症3
切除後の写真。切除後は角膜上皮が欠損した角膜潰瘍となります。

黒色壊死症4
角膜潰瘍の範囲が広いため、瞬膜で角膜を保護(瞬膜フラップ)して終了です。
瞬膜フラップは2週間程度で抜糸します。

↓ 2週間後の写真がこちら
黒色壊死症5
潰瘍部は縮小しており、経過は順調です。

瞬膜腺突出(チェリーアイ)整復手術

一昨日から左眼が腫れているとの訴えで来院された4ヶ月齢のチワワちゃん。

左眼の内側からピンク色の粘膜が飛び出しています。

チェリー1
※来院時の写真がないため手術前の写真になります

サクランボのように腫れて見えることから、チェリーアイと呼ばれることもありますが、正確には瞬膜腺脱出と言います。

 瞬膜腺は通常は瞬膜(第三眼瞼)の中に存在し、何らかの原因で脱出する疾病を瞬膜腺脱出と言います。

若齢での発症が多く、高齢で発症する場合は腫瘍の可能性もあります。

脱出している瞬膜腺を押し戻し、点眼治療により改善する場合もありますが、再脱出する場合は手術が必要です。

 

今回も、一旦は押し戻して経過をみましたが、2日後に再発がみられ、手術による整復を実施しました。

↓ 術直後の写真

チェリー3

瞬膜と縫合糸の一部が見えていますが、腫れが引けば引っこんで見えなくなります。縫合糸は自然に吸収される糸を使用していますので、抜糸の必要はありません。